半導体製造装置 制御盤の静電気対策・保守点検
精密機器を扱う上で静電気は大敵です。作業者は歩行などの動作による摩擦や帯電した衣服からの静電誘導によって帯電します。回避する対策として帯電防止靴を使用しています。ただ作業していく中で気が付かないうちに靴が擦り減ったり金属片が刺さっていたりします。それらをチェックするために靴と人体を併せてテスト出来る帯電防止靴用テスターを導入。帯電防止靴を履きテストプレートに立ちパッドを押すだけで測定出来ます。靴の摩耗や汚れ、着用状態について、より細やかな管理を行う事が出来ます。最低でも週一回は、管理記録をとることが半導体製造装置の制御盤には必要と言えるでしょう。
電子機器は、静電気を受けて破壊される事があります。特に基板は静電気に弱いとされ、作業者の作業動作による摩擦や帯電した衣服からの静電誘導が指先からの放電で基板を破壊する事があります。
静電気による基板の破壊を回避する対策としてリストストラップを使用。静電気をアースして人体を常にゼロ電位に減衰させます。ただしリストストラップを装着していても、コードの断線や装着不良によって抵抗値が高くなり過ぎると人体に帯電した静電気を逃がす事が出来ません。
またリストストラップに内蔵されている電流制限用抵抗が低過ぎると作業者が誤って活電部に触れて感電してしまう等の事故に繋がりかねません。そのため作業者がリストストラップをした状態で上下限の抵抗値内にあるかどうかを判断する必要があります。それらを瞬時にチェック出来るリストストラップ用テスターを導入することも有効です。これによりリストストラップの接続の良否判定が可能になり作業前の始業点検で簡単に測定が可能です。基板取り扱い直前に測定を行い記録を残すことが半導体製造装置の制御盤製作には必要といえるでしょう。