用語解説
制御機器におけるフェライトコアとは、ノイズを除去するノイズフィルターの1種になります。フェライトとは酸化鉄を主な成分としてマンガンやコバルトやニッケルなどを混合焼結したセラミックの総称を指し、コアとは変圧器や制御装置などのコイルにおいて、電線を巻き付けて磁気回路を形成する部分を指します。フェライトコアの構造として、筒状の筐体を2つに分け、そこにケーブルを通した後、筒を固定(とじる)形で使用する磁性体になります。この磁性体によって、ケーブルから発生する高周波ノイズを吸収・ノイズ低減し、雑音や誤作動、制御機械の故障を防ぐ役割を果たします。
他のノイズフィルタと比べての特徴として、アースが無くてもノイズ対策が可能であることと、ノーマルモードノイズ(高周波のノイズ電流)及びコモンモードノイズ(差動電流等による同位相のノイズ)の両方に対応が可能なことがあげられます。また、形状が比較的小型でありことと、ケーブルへ固定することから、制御盤の組付け作業の中で、後付けすることが容易です。フェライトコアの選定は、防ぎたいノイズ(阻止したい周波数)から、材質・大きさ・巻き数を注意して選定します。
制御盤の中で使用するフェライトコアは、アースに落とすノイズフィルターで対策しきれない箇所に追加で利用する事が多く、個数を増やして効果を上げる方法と、ターン数を増やして周波数を合わせる方法で使用されています。