Before (改善前)

信号名に方向性が無い場合、結線図に従い機器の接続番号に指定された信号名の電線を一本づつ取り付けます。

【メリット】
・電線作りが簡素化出来る。
【デメリット】
・1ヶ所づつ照合するため、配線に時間がかかる。

信号名の電線を一本づつとりつける方法は機器の方向性が定まっていない場合やパーツとして小さな制御盤を製作する場合の量産化に用いる手法です。一定の法則で電線作りが出来るため、誤配線の可能性が低い簡単な制御盤づくりに有効です。通常BOX内に収まり裏方として動く制御盤です。見た目にこだわりが無ければ良い方法です。

V

After (改善後)

制御盤の完成状態を想定し信号名に方向性を持たせます。大型の制御盤を配線する際の消去法に利用します。

【メリット】
・接続先が絞れる。
・配線作業時間短縮。
【デメリット】
・電線製作時の注意点が増える。

制御盤の配線作業においてコストダウンを考えた時、スピードアップ・手番短縮の方法として、信号名に方向性を持たせます。単純に接続先の選択肢が2分の1に絞れるので効果的です。工作機械や半導体製造装置などの制御盤の量産にデータ化する事で大きく貢献します。

POINT(要約)

制御盤を製作している業者ごとに信号名を読み上げ(下から上)or読み下げ(上から下)のルールがあり、仕上がりにこだわりを持っています。これは見た目だけでなく、実は重要な道しるべの役割を担っています。大型の制御盤には百以上の接続ポイントがあります。信号名に方向性を持たせるだけで選択肢が二分の一に、端子サイズと併せると更に配線作業時間の短縮効果があります。大型の制御盤を量産化する際、分業における重要なルールとなります。当然、道しるべだけに間違った方向を示していれば配線作業者は困惑します。電線加工技術が優れている事で成り立っています。